門松を斜めに切る理由とは?切らない地域もある?竹の長さが違う理由
お正月になって門松を見かけることが多くなりますが、門松ってなんで斜めに切るのか不思議に思いませんか?
理由があったら知りたいですよね。
もしかして門松を斜めに切らない地域もあるんでしょうか?
今回はそんな疑問にわかりやすく答えていきたいと思います。
門松の竹の長さや飾り方についても紹介していきますよ。
門松を斜めに切る理由とは?
門松を斜めに切る理由は大きく分けて2つの説があります。
徳川家康がきっかけ?
門松を斜めに切る理由の一つ目は徳川家康が関係しているという説。
そのきっかけとなったのが「三方ヶ原の戦い」です。
この戦いで徳川家康は負けてしまうのですが、家康が負けたのは後にも先にもこの1回だけ。
よっぽど悔しかったんでしょうね。
この戦いの後、その対戦相手だった武田信玄を「次こそは必ず斬ってやるぞ!」という念を込めて竹(武)を斜めに切ったのが始まりです。
この竹を斜めに切ることは「そぎ」と呼ばれています。
この「そぎ」を使った門松を徳川家康をはじめ松平家も飾るようになりました。
それを見た江戸の庶民も門松を斜めに切るようになり、だんだんと「そぎ」の門松が広がっていったというのが有力な説となります。
医者がきっかけ?
門松を斜めに切る理由の二つ目は医者が関係しているという説。
それはまだ武士だけが水平に切った竹を使った門松を飾っていた頃の話です。
その頃はまだ庶民は竹の代わりに笹を使った門松を飾っていました。
そんな中、見栄っ張りの医者が武士の次に身分が高いんだぞということを表すために竹を使った門松を飾ろうとします。
でもいくらなんでも武士と同じというのは気が引けると思って、竹を斜めに切り始めたのがきっかけといわれています。
見栄を張ったわけではなく、笹の門松では藪(やぶ)と間違われてやぶ医者のイメージがついてしまうから竹にしたという説もあります。
門松を斜めに切らない地域もあるって本当?
結論からいうと門松を斜めに切らないのは山梨県の一部の地域です。
そもそも門松を飾り始めたのは平安時代といわれています。
その頃の門松は竹を斜めに切っていませんでした。
斜めに切った「そぎ」に対して横にまっすぐに切ったものは「寸胴」と呼ばれています。
平安時代から「三方ヶ原の戦い」までは斜めに切らない「寸胴」の門松が日本全国同じように飾られていたことになりますね。
「三方ヶ原の戦い」のあとからはどんどん斜めに切った門松を飾る地域が増えていきました。
でもある地域は斜めに切らない「寸胴」の門松を飾り続けていきました。
それは山梨県です。
そう武田信玄の出身地ですね。
では今でも山梨県では「寸胴」の門松が飾り続けられているのでしょうか?
気になったので山梨県に住んでいる知り合いに聞いてみました。
その結果は斜めに切った「そぎ」の門松の方が一般的という答えでした。
あれ?意外ですね。
斜めに切らない「寸胴」の門松が飾られているのはごく一部ということです。
山梨県民だからといってすべての人が徳川家康と武田信玄の戦いのことを知っているわけではないので、気にしていない人の方が多いということでしょうね。
山梨県以外でも「寸胴」の方が節がしっかりと詰まっているという理由で金融機関で好んで飾られていたりもします。
また斜めに切った竹は武器を連想するのでそれを嫌う人があえて「寸胴」の門松を飾ることもあって、少しずつ斜めに切らない門松は増えてきています。
お正月に気をつけてみるとレアな「寸胴」の門松を見つけられるかもしれませんね。
門松の竹の長さや飾り方にも意味がある?
門松の竹の長さって3本とも違いますよね。
実は門松の竹の長さって7:5:3になっているんですよ。
なぜかというと2で割り切れないので縁起がいいということと、見た目のバランスも美しいから。
そして飾り方にも2つあってそれぞれちゃんと意味があるんですよ!
出飾り
これは3本の竹のうち中くらいの長さの竹を玄関や門に対して外側に向けて飾る方法です。
この記事の一番上の画像も中くらいの長さの竹が外側になっているので出飾りということになりますね。
出飾りはその名の通り家から出て行ってほしい人がいる時にします。
たとえば「年ごろの娘を早く嫁がせたいな」とか「息子が就職して早く独り立ちしてほしいな」というときですね。
病院でも「患者さんが早く退院できますように」という願いを込めて出飾りにしているところが多いです。
迎え飾り
これは3本の竹のうち一番長い竹を玄関や門に対して外側に向けて飾る方法です。
迎え飾りは誰かや何かを迎え入れたい時にします。
たとえば結婚して「早く子供が欲しいな」と思っているときですね。
お店でもお客さんやお金が入ってきてほしいので迎え飾りにしているところが多いです。
まとめ
門松を斜めに切り始めたのはあの有名な徳川家康だったとはビックリですね。
歴史や飾り方を知ってから、いろんな場所の門松を見るとまた楽しみが広がりますよ!